国の責任放棄!ネットで巷で怒りの声。『老後2000万円』問題

● 衝撃的な金融庁報告書

6月3日、金融庁の金融審議会が発表した『高齢社会における資産形成•管理』の報告書に怒りの声が殺到している。簡単に言えば、「人生100年時代。退職後30年生きるとしたら2000万円足りないので、資産運用等して自助の取り組みが必要ですよ」という内容。

金融庁の報告書では、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯では年金だけでは毎月5万円の収支不足が生じる。今後30年の人生が残されているとすれば、2000万円が必要になると試算している。「公的年金が老後の収入の柱」としながらも、保有資産を活用した資産運用での自助努力が必要としている。

その取り組み方として、『現役期』『退職前後期』『高齢期』の3期に分けて取り組むべき対応策を述べている。

『現役期』は、老後までの時間がまだ長いので少しずつ毎月一定額を複数の投資商品に分散して投資する。『退職前後期』は、おおよその退職金や年金受給額を把握して、資産の不足が心配な場合は就労を続ける事や、不動産を整理して地方への移住も視野に入れる。『高齢期』には、医療費や介護費用が増える事が確実で、住宅の売却や老人ホームへの入居も考えると同時に、認知機能や判断能力の衰えに備えて金融資産の整理等も必要になる。

● 追及姿勢の野党と釈明に追われる政府

しかし、この金融庁の報告書には国民からの怒りの声と共に、メディアからも疑問の声が上がっている。以前、小泉純一郎総理時代の2004年に政府は【年金100年安心プラン】を唱えていたからだ。それによれば、「保険料は18.3%を上限に2017年までに段階的に引き上げ、それ以上は上がらない」「年金受給額は現役世代の手取り額の50%を確保する」等の内容だったからだ。

野党も追及姿勢を強めている。「公的年金だけでは老後の満足出来る生活水準に届かない可能性があると、初めて正式に認めた」「公的年金制度の100年安心は既に崩れている」と、国民民主党の玉木雄一郎代表は語気を強めて主張している。立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は、10日の参議院決算委員会でこの問題を取り上げると言及した。

夏の参議院選挙を前に追及を強める野党に対して、政府は沈静化に躍起になっている。「2000万円という数字は、老後を豊かにするための額を一定の前提でした試算だ」「赤字になるのではないか、という表現は不適切だった」と、麻生太郎副総理兼金融担当相は釈明に終われた。菅義偉官房長官も、「誤解や不安を招く表現だった。公的年金こそが老後生活の設計の柱だ」と、強調する。

● 年金だけでは生活出来ないのか?

では、本当に公的年金だけでは老後生活を送っていけないのか?2017年度の65歳男性の厚生年金平均支給額は1ヶ月17万4535円となっている。年額にして209万4420円になる。これから、所得税や住民税、介護保険等を引かれたらシングルでやっと生活を維持出来るというレベルではないだろうか。夫婦で働いていたならまだしも、専業主婦だった場合は苦しい生活を送る事になるかもしれない。

更に、現在受給している世代でこうなのだから、現役世代が65歳から70歳の年齢になった頃は更に苦しくなるのではないだろうか。いや、それどころか年金制度そのものが破綻している可能性もあるのではないか。

もともと、年金制度そのものの不備や破綻の可能性については、ずっと指摘されてきた。それに対して「公的年金制度は絶対に大丈夫だ」「年金100年安心プランだ」等と、声高に主張してきたのは政府。それが、「100歳まで生きるなら自助努力しろ」では、多くの人が怒りの声を上げるのは当然だろう。

記者から今回の報告書について質問された麻生大臣は「俺が生まれた頃の平均寿命は47歳だった。それがこの前までは81とか言っていたのに100だってんだろ?」「人生設計を考える時、100まで生きる前提で退職金って計算した事あるか?いきなり100って言われていろんな事考えるだろうから、今の内からきちんとしたものを考えておかないといかんのですよ」と、偉そうに開き直っていた。

資産に恵まれ、議員年金も厚生年金平均支給額の約2倍以上の年額448万2259円(推定)が保証されている麻生には庶民の苦しみは分からないだろう。

今回の金融庁の報告を受けて、『年金返せデモ』の動きや、ネットでも怒りの声が上がっている。野党も参議院選挙の争点にするようだ。『自己責任』で片付けられた怒りの声を挙げるのは今しかない。

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