安倍政権が参議院選挙前の公表を躊躇った財政検証がついに判明!

安倍政権がひたすら公表を拒んできた『財政検証』がとうとう明らかになった。数字的には都合の良い方に解釈して説明しているが、様々な課題が見えてきた。本来はこれを参議院選挙前に公表して与野党が議論して選挙に臨まなければならないが、今頃公表するというのは安倍政権の隠蔽体質が未だに変わっていない証左。

しかも、データの甘さがあり政権にダメージの少ないような説明になっている。更に、これまでの数々の犯罪行為、不祥事を鑑みると得意の改ざんがなされていないか、文字通り『検証』する必要がある。

 

● 『財政検証』とは

そもそも、『財政検証』とは平成16年年金制度改正によって、それまでの『財政再計算』に代わって導入されたもの。『財政再計算』は5年ごとに実施される事が義務付けられ、社会や経済情勢の変化に伴う要素を踏まえて給付と負担が均衡されるように、将来の保険料の引き上げ計画を策定すること。

一方、『財政検証』は逆に保険料水準固定方式で、社会や経済情勢の変化に伴う要素を踏まえて財政状況を検証し、少なくとも5年に一度財政の現況と見通しを作成するもの。給付水準の自動調整によって、どこまで給付水準を調整する必要があるかを推計し、検証を行った時点で概ね100年年金財政の均衡が図られる見通しがたっていれば、調整を終了することになる。

現在、『財政検証』は5年ごとの財政見直しと、『マクロ経済スライド』の開始•終了年度の見通しを行って、わが国の年金財政の健全性を検証するために行われている。

前回は2014年6月に『財政検証』が発表され、今年も6月に発表されるはずだったが、その内容を懸念した安倍政権が7月の参議院選挙前に公表されては選挙に不利になると判断し、選挙後まで発表を控えさせていたものである。

● 今回の『財政検証』の意味

『財政検証』の際に問題になるのは『所得代替率(現役世代の平均手取りに対する年金額の割合)』で、今回の『財政検証』では50%の維持が可能となっている。しかし、それは物価や賃金の伸び、経済成長率等を非現実的に楽観視した経済前提を置いているためで、現実的な経済前提に置き換えれば年金財政を維持出来なくなる。

今回の検証では上記のように6つの経済シナリオ(ケース1~ケース6)を想定して、給付水準の変化を試算している。モデルは夫が会社員で60歳まで厚生年金に加入して、妻がずっと専業主婦という設定。

2019年度の所得代替率は現役世代の平均手取り35.7万円に対して、年金額22万円の61.7%。ここから最も経済状況の良いケース1でも、所得代替率は2046年度には51.9%に下がってしまう。要するに、最も経済状況が理想的な形で進んでも今年から27年間にわたって給付水準を抑制しなければならない事になる。

ケース1 2046年度に51.9%

ケース2 2046年度に51.6%

ケース3 2046年度に50.8%

ケース4 2045年度に50%を割り込み、2053年度に46.5%

ケース5 2044年度に50%を割り込み、2058年度に44.5%

ケース6 2044年度に50%を割り込み、2052年度には年金積立金が枯渇する。

政府はケース1~3を想定しているようだが、これからの超少子高齢社会を鑑みれば楽観過ぎると言わざるを得ず、現実的にはケース4~6の可能性が高いと言われている。その場合、2044年度前後には所得代替率が50%を割り込み、最悪のシナリオでは2052年度には年金積立金が枯渇するのである。

更に深刻なのは、この計算は政府•厚生労働省が姑息な方法で行っているという事。それは、所得代替率の計算方法で分子に当たる高齢者が受け取る年金額が「税金や社会保障費を払う前の金額」なのに、分母になる現役世代の所得は「税金や社会保険料を払った後の金額」になっている事。

分子と分母を同じ基準(課税前か課税後に統一)にして計算した場合、所得代替率は大幅に下がり、「現時点でも既に50%を下回っている」事になる。年金給付水準は「所得代替率の50%を維持する」事が法律で定められている。極言すれば、現時点で既に年金は破綻していて法律を遵守するには、「直ちに、現役世代の納付額の引き上げと、更なる消費税増税が必要」という事。

このような年金危機の状態と知りながら、欠陥的な計算方法で所得代替率を糊塗するばかりか、参議院選挙に影響与えるという党利党略で2ヶ月も『財政検証』の公表を遅らせるとは、安倍政権は「国民の生活より政権維持」を優先する『極悪政権』なのは間違いない。即刻退陣してもらうしかあるまい。

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