● 前回参議院選挙の再現なるか?
立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社民党、無所属会派の野党5党派は5月29日の党首会談で参議院選挙の勝敗を左右する32の1人区の内、30選挙区の候補者一本化に合意した。残る宮崎、鹿児島で調整中だが早期決着を目指している。
参議院選挙1人区の状況
選挙区 野党獲得=● 今回の合意
2013 2016
青森 ● 立民
秋田 無所属
岩手 ● ● 無所属
山形 ● 無所属
宮城 2人区 ● 立民
福島 ● 無所属
栃木 立民
群馬 立民
新潟 2人区 ● 無所属
富山 国民
石川 国民
福井 共産
山梨 ● 立民
長野 2人区 ● 国民
岐阜 立民
三重 ● 無所属
滋賀 無所属
奈良 無所属
和歌山 無所属
鳥取島根 共産
岡山 立民
山口 国民
徳島高知 共産
香川 無所属
愛媛 無所属
大分 ● 無所属
熊本 無所属
佐賀 合意済
宮崎 未定
長崎 国民
鹿児島 未定
沖縄 ● ● 無所属
野党がばらばらで戦った2013年参議院選挙と、共闘した2016年を比べればその差は一目瞭然。1人区は衆議院選挙の小選挙区と同様に野党がばらばらで戦っていたのでは自民党には勝てない。が、このところ大勝続きの自民党だが、得票率をみれば議席数ほどの差はないのが実情。野党が一つにまとまれば絶大な効果が見込める可能性は高い。
ただ、前回参議院選挙の2016年は民進党が在って、今みたいに立憲民主党と国民民主党に分かれていた訳ではないから、野党間の調整はわずかで5月中に参議院選挙に始動していた。しかし、今回はこれから準備に入る選挙区がほとんどで出足の遅れが気に掛かるのは否めない。
更に、新人候補者の多いのが気になる。前回2016年は32選挙区の内新人候補者は21人。それに対して今回は28人くらいになる予定。選挙準備が遅れている上に、現職が多い自民党を相手に新人が勝ち抜くのは容易な事ではない。「3年前と比べると客観的状況はかなり厳しい」立民会派の岡田克也元副総理は不安を隠さない。
● 与党は警戒
野党共闘に対して与党は表面上は気にしていない風を装うが、警戒レベルを上げている。もともと、今回の参議院選挙は2013年大勝した議員の多くが再選を目指す。前回より減らす可能性があった上に、野党共闘がなった事で更に厳しさを増すと予測している党関係者も多い。
「選挙戦術的な色合いが濃い」自民党の岸田文雄政調会長は、野党共闘を選挙目的の【野合】と批判的。「安全保障で本当に一致出来るのか。木に竹を接ぐような事は出来ない」公明党の石田祝稔政調会長も共産党と他党の政策理念の違い等を批判して【野合】と断じる。
しかし、自民党、公明党の与党も水と油の関係から選挙目当てでくっついた仲。己の立場を棚に上げて他党をとやかく言う資格はないはずだが、敢えて批判しなければならない点が危機感の表れだろう。
「風という言葉には今、永田町も敏感だ。風は気まぐれで、誰かがコントロール出来るようなものではない」またぞろ、大義もへったくれもない安倍晋三総理の挑発的な発言が飛び出した。この男は選挙がやりたくて堪らないらしい。参議院選挙と同様に衆議院選挙も野党共闘に向けて進めている。前回大勝した参議院選挙、衆議院選挙とも議席を減らすのは目に見えている。
野党は解散を畏れる事なく内閣不信任決議案を提出すべきだ。アベノミクスは失敗に終わり、外交面ではアメリカ合衆国トランプ大統領のご機嫌伺いしか策がない安倍政権を終わらせるためにも、衆参同日選挙はチャンスと捉えて野党共闘を更に進めるべきだ。暑い夏が更に熱くなりそうな予感がする。
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