幼児教育•保育の無償化を実施する改正子ども•子育て支援法成立

● 無償化でどう変わるのか

「幼児教育•保育無償化」とは、昨年12月に閣議決定された「新しい経済パッケージ」で取り上げられた施策の一つ。

これまで高齢者に手厚いと言われてきた社会保障を見直し、子どもや若い世代にも振り向ける「全世代型」への転換を図るもの。少子高齢化が進む中、女性の就労支援の為に幼児教育•保育無償化を「全世代型」への第一歩と位置付けている。

これによって、今年10月から3~5歳児の幼稚園や認可保育園、認定子ども園に通う子どもの全世帯は利用料が無償になる。更に、住民税非課税世帯については0~2歳児の利用料も無償になる。

ただし、利用料が無料になるのは認可施設に限られ、認可外保育所等は上限額の範囲内での費用を補助するが負担が残る場合もある。

また、安倍晋三首相は夏の参院選を見据え、「全ての子どもが対象になる」とアピールするが、野外保育を行う「森のようちえん」の一律無償化は見送られた。

これらの類似施設を利用する子ども達も対象にするよう求める声に、「国と地方が協力して支援していく事を検討する」と、安倍は今年2月の国会で答弁したが、「今更、無償化に組み入れる事は出来ない」と、文部科学省の担当者は断言している。

● あぶり出される問題点

今回の法案は自民党、公明党の与党に加えて国民民主党と日本維新の会は賛成に回ったが、立憲民主党や共産党などの野党は反対した。

「無償化より保育士の確保と待遇改善」「待機児童の解消が先」と主張している。ここ数年保育士不足を解消する為に待遇面での改善は見られたが、それでも依然として保育士不足は続いている上、当然のごとく保育施設も足りず待機児童問題は解消されていない。

この「幼児教育•保育無償化」の財源は今年10月に8%から10%に増税される消費税とされている。このままでは、保育施設に入れない世帯は待機児童を抱えて働けないばかりか、無償化の恩恵を受けられず消費税増税という、二重三重の差別を受ける事になる。

まずは待機児童解消を実行して全ての世帯に無償化の恩恵が行き渡る努力を優先すべきではないだろうか。

また、保育に欠かせないと指摘される給食費や送迎バス、遠足等の行事費用等は無償化の対象にならない。

更に、上記した類似施設を利用する子ども達の他に、インターナショナルや朝鮮学校の幼児クラスも原則として無償化の対象にはならない。

4月には外国人労働者の受け入れを拡大する新制度が始まった。外国にルーツを持つ子ども達への対応も不可欠になる。

このように、まだまだ不完全な制度を政権の実績の為に拙速に施行したとしても、混乱と新たな差別化を助長する可能性もあるので、更に与野党を問わず議論して改正していくべきであろう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました